第1回:私が脂肪肝!?肥満でない人も要注意の「脂肪肝」とは

脂肪肝

健康診断で脂肪肝といわれ、痩せているのになぜだろうと不思議に思った方もいるのではないでしょうか。最近あまりお酒を飲まない、あるいは痩せているのに脂肪肝という人が増えてきています。自覚症状もなく見た目でもわからない「脂肪肝」とはいったいどんな病気なのでしょうか?

これから4回にわたり、生活習慣病や糖尿病が原因の脂肪肝や、脂肪肝から肝硬変や肝がんに進行する「メタボ肝がん」、早期発見の方法などについてご紹介していきます。

脂肪肝とは?

あまりお酒を飲まない、あるいは痩せているのに健康診断で脂肪肝と言われ不思議に思った経験はないでしょうか?そもそも脂肪肝とは、肝臓内の細胞に中性脂肪が30%以上たまった状態のことをいい、肝臓に脂肪がたまることで肝機能障害を引き起こし肝硬変や肝がんへと進行するケースもあります。内臓脂肪に関連する脂肪肝は、見た目ではわかりづらい病気のため注意が必要です。

肝臓にはアルコールを分解する働きがあることから、飲酒量が多い人がかかる病気だと思われがちですが、最近ではアルコール性の脂肪肝よりもあまりお酒を飲まない、あるいは一日に一合未満の飲酒をする方の「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD:ナッフルド)」が多くなってきています。

脂肪肝が原因の肝硬変が増えている

従来、お酒をあまり飲まない非アルコール性の脂肪肝は、肝硬変や肝がんには至らないと考えられてきましたが、NAFLD患者の2割程度に肝臓に脂肪が蓄積するだけではなく炎症と線維化をともなうケースが存在することが明らかになってきました。これを「非アルコール性脂肪肝炎(NASH:ナッシュ)」といいます。NASHにかかると最終的には肝硬変や肝がんによって死亡するケースもあります。残りの8割の方々も非アルコール性脂肪肝を放置した結果、NASHに病状が進行したというケースも報告されているため、日々の予防と早期発見がとても重要です。

先ほど炎症と線維化をともなうケースがあるというお話をしましたが、この肝線維化の程度はステージ0から4の5段階に分類されます。(図:線維化の進行の程度、脂肪肝の進行)ステージ4は肝硬変と呼ばれる状態で、研究によるとステージ3以上になると肝がんの発生率が高くなるとされています。

非アルコール性脂肪肝の原因は「食べ過ぎ」「運動不足」「急激なダイエット」

非アルコール性脂肪肝の原因は「食べ過ぎ」と「運動不足」です。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが良ければ問題ありませんが、脂っこいものや甘いものを取り過ぎると消費しきれなかった余分な脂肪が体内に蓄積されていきます。食事を取り過ぎると内臓脂肪が蓄積されることはよく知られていますが、実は肝臓にも内臓脂肪量に比例して脂肪が蓄積されていきます。特に気を付けたいのが清涼飲料水や野菜ジュース、ヨーグルトドリンクなどに多く含まれる果糖です。ブドウ糖よりもからだに溜まりやすい性質があるため、これらをよく飲む方は飲み物を水やお茶に置き替えることをおすすめします。

また、極端な食事制限などで無理なダイエットをすると低栄養性脂肪肝と呼ばれる脂肪肝になることがあります。この他にも栄養バランスの偏った食事や糖尿病、ステロイド剤の服用、栄養障害による代謝異常なども脂肪肝の原因になります。

閉経後の女性も要注意!?

さらに女性の場合、閉経後に脂肪肝になる方が急増することもわかってきました。閉経前は女性ホルモンによって内臓脂肪が蓄積されにくい状態が保たれていますが、閉経後は女性ホルモンが減少し無防備な状態になります。そのため閉経前と同じ生活習慣を続けていると内臓脂肪の量に比例して肝臓に脂肪が溜まり、いつの間にか非アルコール性脂肪肝になっていた、というケースも多く報告されています。

まとめ(脂肪肝と指摘されたら、まずはFIB-4 indexで計算してみよう!)

あまりお酒を飲まない人や痩せているのにも関わらず健康診断で脂肪肝と言われた方は「非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)」の可能性があります。肝臓は再生能力が高く、痛みや自覚症状などが現れにくい沈黙の臓器です。脂肪肝だからと放置していると気づかないうちに脂肪肝から肝硬変、肝がんに進行しているケースもあるため、健康診断などで脂肪肝を指摘された場合には、食事と運動習慣を見直すとともに速やかに肝臓専門医にご相談ください。

 


Fib-4 indexで肝臓の状態をチェックしてみよう!

 

 

.
<コラム筆者>
角田 圭雄 先生
一般社団法人 日本医療戦略研究センター(J-SMARC)代表理事
愛知医科大学病院肝胆膵内科 准教授(特任)
.

 

[関連記事]