原発性硬化性胆管炎(PSC)

原発性硬化性胆管炎(Primary sclerosing cholangitis:PSC)とは、肝内外の胆管に炎症が生じ、その結果、胆管の狭窄や閉塞を起こし胆汁が流れにくくなる進行性の胆汁うっ滞疾患で、最終的には肝硬変や肝不全に進展します。

原発性硬化性胆管炎は、自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)と同様に免疫異常や腸内細菌が関連していると考えられていますが、原因は分かっていません。画像検査で診断しますが、マーカーがないので、他の疾患がないことを確認した後の除外診断になります。
20代と60代をピークに若年や中年の男性に多くみられ、潰瘍性大腸炎などの炎症性腸疾患を合併することが多いです。

症状

病初期は無症状のことが多いですが、病状の進行とともに全身の倦怠感や疲労感、皮膚のかゆみ、黄疸などが現れることがあります。炎症性腸疾患の合併を伴っている場合は、下痢、血便、発熱、腹痛といった消化管の症状から発見されることもあります。確立した根治療法はまだ見つかっていません。