[検査方法]

「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓は、自覚症状の出にくい臓器のため、肝機能や病態を把握するには血液検査やフィブロスキャン検査、肝生検などの検査を行う必要があります。医師は、検査結果や問診、病歴、診察所見などを踏まえながら肝臓がどのような状態にあるのかを推察し、総合的に判断を行います。 ※基準値は検査機関によって異なることがあります。

血液検査

血液検査には、肝臓の異常を調べる肝機能検査や肝炎ウイルスの感染を調べるウイルスマーカー検査、がんの可能性を探る腫瘍マーカーなど、さまざまな種類の検査があります。血液検査の結果は体内の一部の変化を反映しているだけにすぎず、特定の疾患にすぐに結びつくわけではありません。

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肝細胞の破壊具合に関連し、炎症の程度を見る項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
AST (GOT) 肝機能検査 何らかの異常によって肝細胞が破壊されることにより値が上昇します。ただし、ASTは肝臓以外にも存在しているため、肝臓以外の異常が原因で上昇することもあります。 ※AST(アスパレート・アミノトランスフェラーゼ)は、ALT (アラニン・アミノトランスフェラーゼ)、γ-GTP(ガンマ-GTP)とともに総称してトランスアミナーゼとも呼ばれていますが、以前はGOTと呼ばれていました。 8~38 IU/L
ALT (GPT) 肝機能検査 ALTは、主に肝臓内に多く存在し、何らかの異常によって肝細胞が破壊されることで血液中に漏れ出し値が高くなります。AST、ALTともに高値を示している場合、肝炎・脂肪肝などの肝臓の異変が考えられます。 ※ALT (アラニン・アミノトランスフェラーゼ)は、AST(アスパレート・アミノトランスフェラーゼ)、γ-GTP(ガンマ-GTP)とともに総称してトランスアミナーゼとも呼ばれていますが、以前はGPTと呼ばれていました。 4~43 IU/L
γ-GTP (γ-GT) 肝機能検査 肝臓や胆管に多く存在する酵素で、肝細胞や胆汁うっ滞、胆管細胞が破壊されることで血液中に流れ出し値が高くなります。お酒の飲み過ぎにより値が高くなることが多いですが、薬剤や脂肪肝などでも値が高くなります。 ※γ-GTP(ガンマ・グルタミルトランスペプチダーゼ)は、ALT、ASTとともに総称してトランスアミナーゼとも呼ばれています。 男性:86 U/L以下 女性:48 U/L以下

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

肝細胞のはたらきに関連している項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
TP (総タンパク) 肝機能検査 TP(トータル・プロテイン)とは、血液中に存在している100種類以上のタンパク質の総量のことです。主成分はアルブミンとγ-グロブリンで、これらのほとんどが肝臓で作られています。 TP(総タンパク)は、肝臓の障害によって数値が下がります。また腎臓病や低栄養状態などの影響を受け数値が下がることもあります。 6.5~8.3 g/dL
Alb (アルブミン) 肝機能検査 アルブミンは、血液の中で最も多いタンパク質で、総タンパク質の70%を占めています。血液中の水分を一定に保つ働きをもち、そのほとんどが肝臓で作られます。肝障害や栄養状態の指標になります。 3.8~5.3 g/dL
γ-グロブリン (免疫グロブリン) 肝機能検査 γ-グロブリンは、血液の中でアルブミンの次に多いタンパク質で、総タンパク質の20%を占めています。肝臓にリンパ球が増えたり、線維化が進行することで増加します。肝硬変や自己免疫性肝炎では値が高くなりやすいです。 870~1700 mg/dL
A/G比 肝機能検査 A/G比は、血液中のアルブミンとグロブリンの量の比率を示します。 健康な状態ではアルブミンが多く1.1以上ですが、肝臓に病気があるとグロブリンの量がアルブミンより多くなり1以下になります。 1.1~2.3
TG (中性脂肪) 肝機能検査 TG(トリグリセリド)は、血液の中の脂肪の一種です。メタボリックシンドロームに関わる項目ですが、肝機能が低下するとTGの合成が低下することから肝機能の指標にもなります。また、TGが高すぎても肝臓の脂肪を貯蔵する量が多くなりすぎて脂肪肝となります。 30~149 mg/dL
TC (総コレステロール) 肝機能検査 血液の中のTC(総コレステロール)は、約90%が肝臓で合成されます。そのため、肝機能が低下すると肝臓のコレステロールの合成能力も低下し、血清総コレステロールが低下します。 130~219 mg/dL
LDL-コレステロール 肝機能検査 LDL-コレステロール(低比重リポタンパク質)はタンパク質のひとつで、肝臓で作ったコレステロールを全身に運ぶ役割を担っています。このため、悪玉コレステロールとも呼ばれています。 LDL-コレステロールは、少なすぎると脳出血の原因になったり、増えすぎると動脈硬化の原因にもなります。総コレステロールよりも動脈硬化に関連する項目ですが、慢性肝炎や肝硬変でも数値が減少します。 70~139 mg/dL
HDL-コレステロール 肝機能検査 HDL(高比重リポタンパク質)コレステロールはタンパク質のひとつで、血液中の余分なコレステロールを全身から回収する役割を担っています。このため、善玉コレステロールとも呼ばれています。 LDL-コレステロールと同じく動脈硬化のリスクを見るのに用いられますが、肝硬変で数値が減少したり、原発性胆汁性肝硬変で数値が上昇したりもします。 男性:40~77 女性:40~90 mg/dL
ChE (コリンエステラーゼ) 肝機能検査 コリンエステラーゼ(ChE)は血中の酵素の一種で、肝細胞で合成・分泌されているため、肝機能の指標として用いられています。 また、ChEが低いときにはアルブミンも低くなるため、肝臓のタンパク質の合成能の指標にもなります。 213~501 U/L
LDH (ラクテイト・デヒドロゲナーゼ) 肝機能検査 LDH(ラクテイト・デヒドロゲナーゼ=乳酸脱水素酵素) とは、何らかの異常によって肝細胞が破壊されることで血液の中に漏れ出てくる酵素の一種で、肝障害の評価に用いられます。 肝臓以外にも腎臓、心筋、骨格筋、赤血球、がん細胞にも多く含まれるため、肝臓以外の原因によって数値が上昇することもあります 121~245 U/L
アンモニア 肝機能検査 アンモニアは、たんぱく質を代謝する際に作られ、肝臓で尿素に合成され外に排泄されます。肝障害があると血液の中にアンモニアがたまるため、肝機能の指標に用いられます。 また、血液中にアンモニアが残り過ぎると意識障害を起こすことがあります。これは肝硬変や劇症肝炎の合併症で、肝性脳症と呼ばれています。 30~130 μg/dL
PT (プロトロンビン値) 肝機能検査 血液を凝固させるタンパク質などの凝固因子は、そのほとんどが肝臓で作られます。そのため肝機能が低下すると凝固因子も減少し、血液が固まるのに時間がかかるようになります。 プロトロンビンの減少から、劇症肝炎や肝硬変の重症度の判定などにも用いられますが、ビタミンK欠乏やワルファリン服用でも異常値になることがあります。 PTでは、トロンボプラスチンという物質を加えることで凝固するまでの時間を測定しています。PTの測定値の表示には、凝固時間(秒)、プロトロンビン比(検体凝固時間/対照凝固時間)、活性値(%)などがあります。 INR(国際標準比):0.90~1.26 活性値:70~120%
APTT (活性化部分トロンボプラスチン時間) 肝機能検査 APTTとは、血液凝固能力を測定する検査です。血液凝固因子の多くは肝臓で作られるので、肝機能に障害が起きると血液凝固因子が少なくなり、APTTが長くなります。 26.9~38.1 秒 (凝固時間測定(エラグ酸)法)

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

肝細胞や胆汁に関する障害の項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
Bil (総ビリルビン) 肝機能検査 ビリルビンとは、古くなった赤血球が破壊されるときに作られる黄色い色素で、肝臓で処理され胆道から排出されます。ビリルビンには、肝臓に運ばれる前の間接ビリルビンと、肝臓で処理が行われた直接ビリルビンの2つがあり、この2つを併せたものを総ビリルビンと呼びます。 検査では総ビリルビンと直接ビリルビンを測定し、その差から間接ビリルビンを算出します。 肝臓の調子が悪くなると間接ビリルビンを処理出来なくなり、これらが血液の中に多く残ることで皮膚が黄色くなる黄疸が生じます。また、胆道に問題が起きると胆汁の排出が不十分になり、血液中には直接ビリルビンが増加します。そのため、直接ビリルビンと間接ビリルビンの数値をみることで、黄疸の原因をみることが出来ます。 0.2~1.2 mg/dL
ALP (アルカリフォスファターゼ) 肝機能検査 胆道系酵素とも呼ばれるALPは、肝臓や腎臓、腸粘膜、骨などで作られ、リン酸化合物を分解し肝臓で処理されて胆汁中に流れ出します。 胆石や胆道炎、胆道がんなどで胆道がふさがれ胆汁の流れが悪くなったり(胆汁うっ滞)、肝臓の機能が低下すると、胆汁中のALPが逆流して血液中に流れ込み、値が高くなります。 110~354 U/L
LAP (ロイシンアミノペプチターゼ) 肝機能検査 LAPとは、タンパク質を分解する酵素の一つで、肝臓や腎臓、腸などに多く含まれ、また胆汁にも含まれています。 肝炎、肝硬変、肝がんなどで胆道が詰まると胆汁の流れのどこかで異常が起こり、血液中に胆汁が逆流しLAP値が高くなります。また、急性肝炎や肝硬変でも値が高くなります。 30~70 U/L

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

腎機の機能を確認する項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
BUN (血中尿素窒素) 腎機能検査 BUNとは、血液の中に含まれる窒素の量を調べる検査です。腎機能の指標ですが、一部肝臓にも関わる指標があります。 食事で摂取したタンパク質などは分解されてアミノ酸となりますが、その際に残った老廃物であるアンモニアは肝臓で代謝されて尿素となり、血液の中を流れます。主に腎機能が低下するとろ過できなくなり、値が高くなります。逆に肝硬変、肝不全、肝がんになると値が低くなります。 8.0~22.0 Mg/dL
クレアチニン 腎機能検査 クレアチニンとは、体内のタンパク質が分解されて残った老廃物のことです。腎臓の機能障害の程度で値が高くなります。 単体では腎機能の指標となる検査ですが、腎臓以外の影響をほとんど受けないクレアチニンとBUNとの比をみることで、肝機能の評価に関連する情報を知ることができます。 男性 0.61~1.04 女性 0.47~0.79 mg/dL
eGFR (推定糸球体濾過量) 腎機能検査 eGFRとは、腎臓にどのくらい老廃物を尿へとろ過する能力があるかを評価する検査です。腎臓でろ過される量をGFRといい、腎臓に障害があるとGFRが減少し、クレアチニンはろ過されずに体内に溜まります。そのためGFRはクレアチニンと一緒に調べられます。 治療薬剤の選択やCTやMRIの造影剤の使用の目安として使用します。 60.0 以上 mL/min/1.73㎡

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

筋肉細胞の障害の程度を確認する項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
クレアチンキナーゼ (CK) 筋肉系検査 クレアチンキナーゼ(CK, CPK)とは、筋肉や心臓に多くある酵素のひとつです。筋肉に障害があるとCKが血液中に出現し、ASTやLDHと共にCKが高くなります。 男:38~196 女:30~172 U/L

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

肝炎ウイルス感染の有無を調べる項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
HCV抗体 ウイルスマーカー検査 C型肝炎ウイルスの感染状況を調べます。C型肝炎の治癒後にも陽性になることが多いです。 S/CO 1.0未満 陰性
HCV RNA ウイルスマーカー検査 現在、C型肝炎ウイルスに持続感染しているか調べます。
HCVセロタイプ ウイルスマーカー検査 C型肝炎ウイルスは、塩基配列の違いから作られるタンパク質も異なります。それに対する抗体が異なることを利用し検査する方法がHCVセロタイプです。タイプにより治療方法が変わります。
HCVゲノタイプ ウイルスマーカー検査 C型肝炎ウイルスには、6種類の遺伝子型(ゲノタイプ)があります。ゲノタイプによって薬に効き方が異なるため、ゲノタイプを判定することで治療効果や予後を調べられます。また、タイプにより治療方法が変わります。日本人は1型と2型が大部分を占めます。
HBs抗原 ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルスの感染状況を調べます。 0.05未満 陰性 IU/mL
HBs抗体 ウイルスマーカー検査 過去にB型肝炎ウイルスに感染していたかを調べます。 ワクチン接種後にも陽性となります。陽性者は新たにB型肝炎には感染しません。移植や一部の抗癌剤などで免疫抑制状態ではB型肝炎の再活性化が起こることがあるとされています。 10.00 未満 陰性 mIU/mL
HBe抗原 ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルスのHBe抗原が陽性であると、ウイルス感染性や活動性が強い可能性があります。 S/CO 1.0未満 陰性
HBe抗体 ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルスの感染状況を調べます。 インヒビション 50.0 未満 陰性 %
HBc抗体 (IgG) ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルスに感染している、もしくは過去に感染していたかを調べます。 S/CO 1.0未満 陰性
HBコア関連抗原 (HBcrAg) ウイルスマーカー検査 肝細胞中のB型肝炎ウイルスのcccDNA量を調べます。 2.9以下 LogU/mL
IgM-HBc抗体 ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルスに感染しているときに、急性B型肝炎の早期や急性発症であるかどうかを調べます。 S/CO 1.0未満 陰性
HBVゲノタイプ ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルスには、8種類の遺伝子型(ゲノタイプ)があります。ゲノタイプによって薬に効き方が異なるため、ゲノタイプを判定することで、治療効果や予後を調べられます。8種類のうち日本の在来種はB型とC型になります。
HBV-DNA ウイルスマーカー検査 B型肝炎ウイルス(HBV)のウイルス量を調べます。
IgM-HA抗体 ウイルスマーカー検査 A型急性肝炎ウイルスの感染状況を調べます。 S/CO 0.8未満 陰性
IgG-HA抗体 ウイルスマーカー検査 過去にA型肝炎ウイルスに感染していたかを調べます。 S/CO 1.0未満 陰性 %
IgM-HE抗体 ウイルスマーカー検査 E型急性肝炎ウイルスの感染状況を調べます。 陰性 (-)
IgG-HE抗体 ウイルスマーカー検査 E型肝炎ウイルスの感染状況を調べます。 陰性 (-)
HEV RNA抗 ウイルスマーカー検査 現在、E型肝炎ウイルスに感染しているか調べます。 2.0未満 LC/mL

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

肝がんの可能性を調べる項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
PIVKA-Ⅱ 腫瘍マーカー検査 PIVKA-IIは血液凝固因子の一種で、健康な人の血液中には存在しません。ビタミンKの欠乏時や、肝障害、肝細胞がんなどの時に血液中にあらわれます。AFPと組み合わせて検査を行うことで、肝細胞がんの存在の可能性を探ります。AFPとは相補的関係にあり、AFPと併用すると肝癌がより拾い上げやすくなります。 40 未満 mAU/mL
AFP (アルファ・フェトプロテイン) 腫瘍マーカー検査 AFPはタンパク質の一種で、もともとは胎児の血液や羊水にのみ含まれており、健康な人の血液にはほとんど存在していません。しかし、がん細胞があると血液中に増えてくるため、肝がんの可能性を探ることができます。妊娠、他臓器癌、肝硬変、劇症肝炎回復期にも上昇することがあります。 10.0 以下 Ng/mL
AFP-L3% (AFP-L3分画) 腫瘍マーカー検査 AFP-L3%は、AFPよりも慢性肝炎や肝硬変と肝がんとの区別がつきやすくなっているため、肝がんの診断目的で用いられます。妊娠、他臓器癌、劇症肝炎回復期にも上昇することがあります。 L3分画:10.0 未満 %
CEA (癌胎児性抗原) 腫瘍マーカー検査 CEAは、もともと胎児の消化器組織だけにみられるタンパク質の一種ですが、消化器系のがんになると数値が高くなります。 主に食道がんや胃がん、大腸がんをはじめ、肝臓がん、肝道がん、膵臓がんなどでCEAが高くなりますが、尿路系のがんや肺がん、乳がん、子宮がんなど消化器系以外のがんや糖尿病などの疾患でも値が高くなります。また、肝内胆管癌や混合型肝癌でも値が高くなる可能性があります。 5.0 以下 Ng/mL
CA19-9 腫瘍マーカー検査 消化器癌の血清腫瘍マーカーとして用いられます。 膵がんや胆のう・胆管がんなどの消化器系がんがあると、血液の中に増える物質です。CEA、AFPを組み合わせて用いることで、他の腫瘍マーカーを補助します。また、慢性肝炎、肝硬変などでも数値が高くなったり、肝内胆管癌や混合型肝癌でも値が高くなる可能性があります。 37 以下 U/mL
フェリチン 腫瘍マーカー検査 フェリチンは、肝臓や脾臓、胎盤などにあります。血清の中には、体内に貯蔵している鉄の量によって、増えたり減ったりします。 また、さまざまな悪性腫瘍や種々の炎症があると、このフェリチンの値が高くなります。 男:13~277 女: 5~152 Ng/mL

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

肝臓の線維化をみる項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
Plt (血小板数) 肝機能検査 血小板は血液中の成分で、出血を止める働きがあります。血小板を作る力が弱くなったり、血小板が破壊される量が増えたりするなどの理由で血小板の数が減少すると、出血しやすくなります。肝臓の線維化が進むと破壊される血小板の数も増えるため血小板数は減少します。10万以下の場合は肝硬変の可能性が高くなります。 男:13.1~36.2 女:13.0~36.9 ×10^4/μL
ヒアルロン酸 肝機能検査 通常ヒアルロン酸は肝臓で分解されますが、肝疾患・肝硬変では線維化に伴いヒアルロン酸が分解されにくくなり、血中の値が高くなります。また炎症などでも高値になることがあるため、肝線維化の指標として用いられます。 50 以下 Ng/mL
Ⅳ型コラーゲン7S 肝機能検査 Ⅳ型コラーゲンはコラーゲンの一つですが、慢性肝疾患になると肝臓の中で増え始め、血液の中の濃度が増加します。そのためⅣ型コラーゲン・7Sは、肝臓の線維化の指標として用いられます。 5.0 以下 Ng/mL
タイプⅢプロコラーゲン-N-ペプチド (P-Ⅲ-P) 肝機能検査 P-Ⅲ-Pは、体内のコラーゲンの生成や線維化の指標として用いられます。主に線維化がどれだけ活発なのかを見る目安となります。 3.62~9.52 Ng/mL
M2BPGi (Mac-2 結合蛋白糖鎖修飾異性体) (M2BP糖鎖修飾異性体) 肝機能検査 M2BPGi は、C型肝炎の肝線維化の指標として用いられます。肝臓の線維化が進展すると、タンパク質の糖鎖構造も変化しますが、M2BPGiはその糖鎖構造をとらえて、肝線維化の度合を評価します。 1.0未満 (-)
ATX (オートタキシン) 肝機能検査 ATX(オートタキシン)は、リン脂質代謝の酵素のひとつです。線維化などを原因としてATXは血液の中に多く残るようになるため、肝線維化の初期段階から病態が把握できるといわれています。 線維化進展 男性:0.910 女性:1.27 肝硬変 男性:1.69 女性:2.12

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

その他の項目

検査値名 検査種類 説明 基準値
胆汁酸 肝機能検査 胆汁酸は、肝細胞の合成排出機能の指標になります。肝疾患時において胆汁酸が高くなるため、肝疾患の可能性を調べられます。 10.0 以下 Mmol/L
ANA (抗核抗体) その他 ANAでは、自己免疫疾患の可能性を調べられます。自己免疫疾患とは、免疫系が自分の細胞に対して反応して様々な臓器で障害が起こることをいいます。自己免疫性肝炎などで値が高くなります。 40倍未満
AMA (抗ミトコンドリア抗体) その他 AMAは、原発性胆汁性肝硬変(PBC)の診断に用いられます。基本的にPBCに特異的と言われていますが、PBC以外の疾患(梅毒,一部の膠原病,薬剤性肝障害など)で陽性となる場合もあります。他に抗ミトコンドリアM2抗体(AMA2)もあります。 20倍未満

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

監修:虎の門病院 肝臓内科 医長 斎藤聡先生