スコアリングシステム

主に血液などの生化学検査データを組み合わせて、精度を高めて評価するための手法です。血液検査は、肝臓以外の要素や目的外の要素が影響する可能性があるため、複数の項目を組み合わせたスコアリングシステムを用いることで、それらの可能性を少なくしています。

検査値名 検査種類 説明 基準値
Fib-4 index
Fib4 indexの計算
肝機能検査

Fib-4 index(フィブフォー・インデックス) とは、C型肝炎の肝線維化を予測するスコアです。AST、ALT、血小板数、年齢の4項目を組み合わせて計算し、得られた数値から線維化の進展度合いを評価します。

最近ではNASHなどの他の肝疾患にも転用されており、脂肪肝の方においてFIB-4 indexを指標とし、肝線維化の進展例を早期に発見することが、NAFLD患者の経過観察において重要と考えられています。

低値:1.3以下
中間値:1.3~2.67
高値:2.67以上
脂肪肝リスクAI予測ツール
脂肪肝リスクAI予測ツール
リスク予測ツール

脂肪肝リスクAI予測ツールとは、ニューラルネットワークを用いたディープラーニングによる独自のアルゴリズムでAI解析を行う「NAFLD/NASH予測モデル*1」から、入力された条件と同等の方が脂肪肝から肝炎に進展するリスクを表示するツールです。

年齢、性別、身長、体重、腹囲および血液検査のAST、ALT、γ-GTP、総コレステロール、中性脂肪、血小板数の11項目を組み合わせて予測します。

※脂肪肝の有無を予測するものではありません。
※アルコール性肝疾患、ウイルス性肝炎(B型肝炎・C型肝炎)、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎、薬害性肝障害、代謝性肝疾患(Wilson病やヘマクロマトーシス)の方を対象とした予測ツールでもありません。

※ *1:https://www.suita.saiseikai.or.jp/medical/research/explanatory_document8/

NFS
NFSの計算
肝機能検査

NAFLD(非アルコール性肝疾患)における肝線維化を予測するスコアです。

NFS(ナッフルドファイブロシススコア=NAFLD Fibrosis Score)は、年齢、高血糖、BMI、血小板数、アルブミン値、AARを組み合わせて計算し、得られた数値から線維化の進展度合いを評価します。

低値:-1.455未満
中間値:-1.455~0.675
高値:0.675超過
APRI 肝機能検査

C型肝炎の肝線維化を予測するスコアです。

APRI(アプリ=aspartate aminotransferase to platelet ratio index)は、AST、ALT、血小板数を組み合わせて線維化の度合を評価します。

NAFIC score 肝機能検査

NAFLD(非アルコール性肝疾患)における肝線維化を予測するスコアです。

NAFIC score(ナフィックスコア)は、フェリチン、インシュリン、4型コラーゲン組み合わせて計算し、スコア化したものです。 2 点以上は NASH の可能性が高いとされています。

Child-Pugh分類
Child-Pugh分類スコアの計算
肝予備能評価

肝予備能を評価し、肝硬変の重症度を判定するスコアです。

Child-Pugh(チャイルド・ピュー)分類とは、血液生化学的検査データ(血清ビリルビン値、血清アルブミン値、プロトロンビン活性値もしくはプロトロビン時間)、脳性脳症、腹水を組み合わせて肝硬変の重症度を判定します。

グレードA:5-6点
グレードB:7-9点
グレードC:10-15点

※基準値は検査機関によって多少異なることがあります。

監修:虎の門病院 肝臓内科 医長 斎藤聡先生