肝炎

肝炎

肝炎とは、肝臓がなんらかの原因で炎症を起こし肝細胞が破壊された状態を言います。肝細胞が破壊と再生を繰り返すことで、その部分が次第に硬くなり、肝臓の働きが段々と悪くなっていきます。肝臓は一般的に、その働きが健康なときのおよそ30%以下になるまで症状があらわれないため”沈黙の臓器”ともいわれています。
肝炎には、急性発症する急性肝炎と慢性的に炎症を生じる慢性肝炎の2つがあります。

急性肝炎

急性肝炎とは、短期的に肝臓に炎症が起こる疾患です。原因は、ウイルス性(A型、B型、C型など)、自己免疫性、薬物性など、さまざまなものがありますが、基本的には自然治癒するか、原因のウイルスを排除することで症状が治まります。ウイルスに感染すると数週間から数か月後に、身体のだるさ、食欲不振、黄疸、吐き気などの症状があらわれることがあります。一部の方は重症化し、劇症肝炎と呼ばれる重篤な病態に移行します。

慢性肝炎

慢性肝炎とは、肝臓の炎症が6ヵ月以上続いた状態の疾患です。これは特に注意が必要な肝炎になります。慢性肝炎の原因は、ウイルスの感染、薬物の影響、アルコールの過剰摂取、肥満など様々なものがあります。肝炎ウイルスとしてはA型、B型、C型、D型、E型が知られていますが、日本ではウイルス性肝炎のうちC型慢性肝炎が約70%、B型慢性肝炎が15~20%を占めています。

日本人に多いC型肝炎の場合、リンパ球などの免疫細胞が感染したウイルスを除去しようとして、ウイルスだけでなく肝細胞を攻撃することにより細胞が破壊され、その結果炎症が起こります。

お酒の飲みすぎや食べ過ぎが原因の場合、肝臓内に中性脂肪がたまり脂肪肝になります。一部の脂肪肝では、慢性的な炎症が起こり、肝硬変に進むものがあることが分かってきました。

また、慢性肝炎になり炎症が長期化すると、炎症で傷ついた細胞の修復が追いつかなくなり、肝硬変や肝がんになりやすくなります。そのため、早期発見と早期治療がとても大切です。

慢性肝炎の原因 C型肝炎70パーセント