第3回:肝線維化を見つける方法「FIB-4 index」

FIB-4 index

第1回では、最近増えてきているあまりお酒を飲まない、あるいは痩せているのに脂肪肝という「非アルコール性脂肪肝」について紹介しました。第2回では脂肪肝から肝硬変肝がんに進行する「メタボ肝がん」についてご紹介しました。3回目の今回は、肝線維化の進行度合いを簡単に調べることができる「FIB-4 index」についてご紹介します。

FIB-4 indexとは?

FIB-4 index(フィブフォー・インデックス)とは、肝臓の線維化の進展度合いを評価するための血液検査データを組み合わせたスコアリングシステムです。日本肝臓学会も推奨しているこの検査方法は、血液検査のAST値・ALT値・血小板数・年齢の4項目を組み合わせて計算し、得られた数値から線維化の進展の度合いを評価します。

脂肪肝は脂肪化の程度よりも肝線維化の進展度合いが重要!?

脂肪肝の方は脂肪化の程度よりも生命の予後に最も関連するとされている肝線維化の進展度合いを評価することが、早期発見と経過観察において重要だといわれています。

非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)には、病態がほとんど進行しない非アルコール性脂肪肝(NAFL)と肝硬変や肝がんに進展するリスクのある非アルコール性脂肪肝炎(NASH)に分けられます。NASHの確定診断には肝生検が必須ですが、NAFLDの患者さん全員に肝生検を施行するのは現実的ではありません。また、肝生検には入院やサンプリングエラーが伴うこと、さらにNASH患者の32~53%が肝線維に進展するリスクがあることから、より簡単に肝線維化の進展度合いを評価するためのツールとしてFIB-4 indexが推奨されています。ご存じのとおりNASHを含めた肝疾患は病態がかなり進行するまで自覚症状が現れないという問題があります。気が付いたときには手の施しようがないという状態にならないよう「FIB-4 index」で早期発見と経過観察をおこなうことをおすすめします。

FIB-4 indexの計算と基準値

肝臓検査.comでは、FIB4-indexの計算ページをご用意しています。健診結果を持っている方はぜひ、ご自身の年齢、血液検査データのAST値、ALT値、血小板数を入力してみてください。FIB-4 indexの値が1.3未満であればステージ3以上の高度線維化にはなっていないと考えられますので、ひとまず安心です。1.3以上の場合は線維化が進行している可能性があるため、お近くの肝臓専門医を受診してください。われわれが調査した約5,000人の非アルコール性脂肪肝のデータでは、1.3未満の低値が87%、1.3~2.67の中間値が12%、2.67以上の高値が1%という結果が出たため、8人に1人程度が高度線維化のステージまで進行している可能性があると考えています。

FIB-4 indexの結果が3以上だったら?

FIB-4 indexの結果が1.3以上だった場合、線維化が進行している可能性があるため肝臓専門医を受診していただき詳しい検査を受けることを推奨します。最近ではエラストグラフィとよばれる画像診断によって肝臓の線維化の程度を測定することもできます。最も簡便なのは「フィブロスキャン」を用いた検査です。からだに当てたプローブが発する弱い振動が肋間から肝臓に伝わり、その伝わり方によって肝臓の硬さと肝臓内の脂肪量の度合いを数値化します。痛みもなく1~5分程度で測定できるため、肝生検のように入院する必要がありません。またMRIを利用して肝臓の硬さを測定するMRエラストグラフィも登場しました

まとめ

脂肪肝の方は脂肪化の程度よりも肝線維化の進展度合いを評価することが早期発見と経過観察において重要だといわれています。非アルコール性脂肪肝炎(NASH)を含めた肝疾患は病態がかなり進行するまで自覚症状が現れないため、早期発見と治療のためにもまずはFIB-4 indexで肝疾患のリスクを評価することをおすすめします。

 


健診結果を持っている方は、Fib-4 indexで肝臓の状態をチェックしてみよう!

 

 

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<コラム筆者>
角田 圭雄 先生
一般社団法人 日本医療戦略研究センター(J-SMARC)代表理事
愛知医科大学病院肝胆膵内科 准教授(特任)
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